デジタルデータの相続とパスワード

近年では被相続人がパソコンやスマホなどデジタル機器を持っていることがあります。パソコンやスマホはロック機能などもあり、パスワードがかけられていることが多いです。パスワードがわからずその中に相続すべき財産などが入っている場合はどうすれば良いのでしょうか?

今回はデジタル遺産におけるパスワードの解除について解説します。

パスワード解析

まずデジタルフォレンジックを扱う専門業者に依頼することで、パスワードを解析することができます。しかし近年の傾向としてはロック機能やセキュリティ機能が発展し解析が難しくなっているのが現状です。

とくに複数回パスワードを入力すると初期化されてしまう機能などもあり、解析を難しくしております。パソコンにおいてはHDDを直接調査することにより、パスワードロックを迂回することで内部調査ができる可能性もあります。

上記のように一度初期化されてしまうと、復旧が難しくなります。

複数の相続人がいる場合

相続人が複数おり、遺産分割未了で特定の相続人にデジタル機器を相続させる旨の遺言がないケースでは、遺産分割協議が完了するまで、そのデジタル遺産は相続人同士の共有となります。

共有物の場合、その変更や処分行為(共有者全員の同意が必要)、管理行為(過半数の同意が必要)、保存行為は、共有者の同意が必要です。パスワードの解除などを専門業者に依頼する場合、これらの行為に該当する可能性があるため、事前に相続人同士で合意しておくことが重要です。

また専門業者に依頼する場合、データが消失するリスクも兼ね備えているためその部分も入念に議論しておく必要があります。

書類等にパスワードがかけられている場合

書類やパスワードを管理しているエクセルなどにパスワードがかけられている場合、それを解析する必要もあります。

これらはブルートフォースアタックといわれる総当たり式で解析することが多いです。英数字7桁程度であれば、数時間で解除できますが、記号や大文字含めた9桁以上になると5年以上かかり、パスワード解除を断念せざるを得ない状況になります。

 

さいごに

被相続人がパソコンやスマホを持っている場合、できる限り生前にパスワードなどを把握するようにしましょう。そうでないと、正確な遺産分割ができなくなったり、パスワード解析のために専門業者を呼ぶことになり無駄な費用が発生することになります。

遺言などとは別にパスワードの管理を生前にしておくことは相続手続きを円滑に進める上で非常に重要です。

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