被相続人が山林を持っているケースもありますよね。今回は山林の相続について詳しくまとめました。
山林の相続
まず山林は市街地の土地と違い、取引自体が少なく、不動産鑑定や固定資産税評価額を基準にする必要があります。また買取手は少なく、換金するのも難しい財産となります。
まずは相続をするのか?しないのかを含めてどのようにするか検討する必要があります。
山林の相続を未着手で放置すると起こりうること
山林の相続はよくわからないし面倒、どうしていいかわからない。。そのまま放置してしまおう等すると、、、
・不法投棄の温床になる
・害虫や害獣の棲家になる
・雑草が生え近隣にも影響を与える
・地域の景観や美観に影響を与える
・維持費や固定資産税の支払いが発生する
・放火などのリスク
山林は田舎にあることが多く、相続をしたとしても相続人の管理が行き届かないリスクもございます。とはいえ放置してしまうと上記のようなことが起こり、最悪の場合責任問題が発生することもあります。(持っていた山林で放火され、延焼し他の人が巻き込まれてしまう)
相続する場合
市区町村へ所有者届出の手続き
山林を相続したら90日以内に役所への届出が義務付けられております。
届出の対象は都道府県の地域森林計画の対象となっている森林となります。届出しないと、10万円以下の罰金になる可能性があります。
法務局で名義変更
山林を相続したら所有名義の変更も必要です。(相続登記)名義変更はその山林を管轄する法務局で行います。なお登記申請において、相続の場合固定資産税評価額×0.4%の登録免許税が必要となります。必要書類は、「被相続人の戸籍謄本及び住民票の除票」、「相続人の戸籍謄本」、「その山林を相続する人の住民票」、「固定資産税評価証明書」となります。
状況に応じて遺言書や遺産分割協議書も必要です。
森林組合への報告
義務ではありませんが森林組合に報告をしておくと、後に手続きがスムーズになることがあります。特に売却や管理を希望する場合、その旨を伝えておくことで森林組合が買い手や借り手を見つけてくれることがあります。
山林の活用方法
もし山林を引き継ぐ場合は、木材の売却、キャンプ場の運営、貸し出しをする、太陽光パネルの設置、山菜などの栽培といったことが考えられます。
山林を手放すには?
一方相続をせず、手放すことも考えられます。その場合、国に返却、寄付をする、買取手を探す、相続放棄の4つの選択肢が考えられます。
国に返却する場合
まずは山林を所定の条件を満たすと国に返却できる「相続土地国庫帰属制度」があります。相続人のみができるものとなりますが、山林や森林も適用できます。ただし土壌汚染があったり、建物がある土地など却下事由もありますので、適用できるかどうかは専門家などに相談し検討すべきです。
相続放棄
相続放棄により、山林を手放すことも可能です。ただし熟慮期間の3ヶ月以内に対応する必要があること、また別に財産がある場合、それも含めてすべて手放す必要があります。