被相続人死亡後に、銀行口座が凍結されて引き出せなくなるというのは結構有名な話と思いますが、生前、認知症になってしまった場合、口座が凍結される可能性があることはご存知でしょうか?
今回は認知症による口座凍結についてまとめました。
認知症とは?
まずは認知症について確認いたします。
認知症とは、脳の神経細胞のはたらきが悪くなり、認知機能が低下し、一般生活において大きな影響を与える状態を指します。認知症の症状として特徴的なのは体験したことを全て忘れてしまうことです。(例:今日昼ごはんを食べたこと自体を忘れる)
認知症と言ってもアルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症など細分化することができます。
口座凍結
銀行などの金融機関は契約者が認知症になってしまうと口座を凍結する場合がございます。では一体なぜ口座凍結になってしまうのでしょうか?
一言でいうと認知症になってしまった方の財産保護が最大の目的です。認知症により判断能力が低下した状態で金融機関を利用した場合、詐欺の被害に遭ったり、誰か他の人に使い込まれてしまったりなど、よくないことを引き起こす可能性があります。
なお口座凍結されてしまうと認知症患者様の口座から一切現金の引き出しができなくなってしまいます。仮に年金が入ってもそれを引き出すことはできないですし、本人が施設に入るために必要なお金も引き出すことはできません。
口座凍結を解除するには
口座凍結を解除するには、成年後見制度(法定後見制度)を利用する必要があります。成年後見制度は、判断力のない人(被後見人)に代わって、家庭裁判所が適切な支援者(法定後見人)を選ぶ仕組みのことを言います。
成年後見制度は、まず申立てを裁判所に行い、そこから事実関係などの調査・整理を行い、成年後見人が選出され運用開始となるので、大体3〜4ヶ月ほどかかります。この間に認知症の方が施設に入るなどで大きな出費が出てしまうケースなどは、大変なことになります。
認知症による口座凍結を防ぐには?
これらの急な凍結を防ぐにはいくつかの方法があります。これは三井住友銀行の例ですが、代理人指名手続という制度があります。判断能力がある状態で銀行に行き、万が一の場合に備え、代理人をあらかじめ指名しておくことができます。これをおこなっていると万が一認知症になった場合でも指定された代理人がATM等を使用できます。
これ以外にも家族信託といい、子供にあらかじめ財産の管理ができるように信託契約を結んでおく方法や、任意後見制度といい、自分が元気なうちに万が一のことがあった場合の備えとして、後見人をあらかじめ定めておくことができます。これは遺言書の作成と同様に行われることが多いです。